応募対象の概要
災害時に発生する帰宅困難者への対応力強化を目的に、駅社員が平常時から楽しみながら学べるカードゲーム型図上訓練ツールである。日常の学びを非常時の即応力に繋げる事で、不安の軽減と現場対応力の向上を図り、その効果は一般市民の安全に寄与する、というフェーズフリーの考えに基づいた防災教育の仕組みである。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
本取り組みは、平常時には駅社員がカード型図上訓練として、参加しながら学べる場として機能し、災害発生時には、その経験が帰宅困難者対応の判断力・即応力として発揮されるフェーズフリーな仕組みである。日常の訓練では得にくい「状況を想像し、優先順位や対応方を考える経験」を積み重ねることで、不安の軽減と的確な初動対応につなげ、利用者や地域住民の安全確保に寄与する。特別な設備やシステムを必要とせず、現場の実情に応じて柔軟に運用できる点も強みであり、日常時と非常時を切り分けずに備える文化の醸成に寄与する点がアピールポイントである。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価56 /100点
駅社員が日常的な研修としてカードゲーム形式で楽しみながら参加でき、駅構内だけでなく商業施設や公共施設など、人が集まる地域の拠点でも活用できることから、日常時の「Why」で評価された。非常時には、帰宅困難者対応や初動判断を支援する実践的な訓練成果が活かされることから、非常時の「Why」で高く評価された。また、駅社員に加え、帰宅困難者対応を担う鉄道事業者や施設管理者など幅広い人材を対象としてさまざまな状況で研修を展開できるため、非常時の「Where」「When」でも評価が高い。
有効性評価63 /100点
カードゲーム形式で楽しみながら学べるため、参加者同士の対話を通じて判断力や対応力を養い、継続的な学びを促進することから、「日常時のQOL影響能力」で評価された。また、正解のない状況を想定した訓練により、帰宅困難者への初動対応や状況判断を迅速に行える力を身につけられることから、「非常時のQOL影響能力」で高く評価された。条件カードを組み合わせて多様な状況を再現できる仕組みにより、「機能面デザイン」の評価を高め、「災害想起」と「開発促進」「意識向上」の評価も高めている。
総評
一般的なカードゲームと比較して、駅社員が帰宅困難者対応を想定しながら判断力や対応力を養えるカード型図上訓練ツールであることが特徴である。季節や天候、利用者属性などの条件カードを組み合わせ、正解のない状況で優先順位や対応方法を考える実践的な学びを提供することから、「有効性」で評価された。また、特別な設備を必要とせず、各駅の実情に応じて内容を柔軟に調整できるため、継続的な訓練や幅広い現場への展開が可能であり、「汎用性」の評価を高めている。
受賞者コメント
大規模災害発生時には、駅や商業施設、イベント会場など、多くの人が集まる場所で帰宅困難者への対応が課題となる。しかし、実際の災害対応を経験する機会は限られている。そこで当社社員と埼玉大学の学生が意見を交わしながら、「帰宅困難者対応イメージゲームK.I.G(危惧!?)」を考案した。「いつも」の学びを「もしも」の備えへと変えることを目指した取組である。本取組はオーディエンス賞を受賞した。多くの方々からご支持いただけたことを大変嬉しく思う。今後は様々な場への展開を進め、防災力向上に貢献していきたい。
受賞者プロフィール
東日本旅客鉄道株式会社 浦和事業本部・武蔵野事業本部 






