応募対象の概要
高い環境性能と豊かな暮らしをミニマルに実現する企画住宅。単に設備や性能を付加するのではなく、自然の持つ心地よさを取り込みながら、取得した自然エネルギーの利活用により、毎日の快適性と災害時にも安心な付加価値を提案。一つ屋根の下で、家族のつながりや自然を感じながら安心してのびやかに暮らせる住まいです。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
家族の集まる1階を広く確保し、⼀枚の大屋根で上下階をつなぐことで、コンパクトながら開放的な内部空間とLCCM基準の発電量を確保。エネルギーの利活用により日常の快適性と安全性を高めつつ、停電時にも日常生活に近い暮らしを可能とします。アプローチに設けた自然(光・風・緑)を取り込む中庭空間は、安全性やプライバシー性を確保しながら、外での多様な活動を導き、地域とのコミュニティや災害時の助け合いのきっかけを創出します。環境性能の高いモデルを規格化し、汎用性を高めるとともに、機能特性を活かすことで生まれるデザインや暮らしのベネフィットを具現化することで、環境価値やレジリエンスの高い住まいの普及を目指しました。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
61 /100点
玄関からリビング、ダイニングと高天井空間がシームレスにつながる「フルハイト設計」や、太陽光発電設備搭載によるZEHを標準仕様として、暮らしの快適性と環境性能を高めた点で、日常時の「Why」が高く評価された。また、AIマネジメントによる「安心モード」に加え、災害時には「レジリエンスモード」で非常時の電気の使い方をサポート。ウイルス対策の工夫が、衛生的で安全安心な暮らしを支えることから、非常時の「Why」での評価が高かった。
有効性評価
65 /100点
大容量の太陽光発電システムで電気を創り、無駄なく使うことで、光熱費を削減。全館空調システムや、EV車などの外部電源を給電できる蓄電システム等により環境に配慮しながらより快適でエコな暮らしを実現するため、「日常時QOL影響能力」と「機能面デザイン」で評価された。インフラが遮断した環境下でもふだんの暮らしを継続できる電力や備蓄品を確保。在宅避難を実現し、自立したエネルギー循環を実現するため、「非常時QOL影響能力」の評価が高い。また、大屋根と開放的な室内で「情緒面デザイン」の評価を高めている。
総評
一般的な戸建て住宅と比較して、開放的な空間でありながら、自然エネルギーを活用し、高断熱・高気密設計で心地よい暮らしを実現している。耐震性の高い木質接着パネル構造を用い、制震装置の装備で、家族を守りながらサステナブルな暮らしができるため、QOL向上やデザインなどの「有効性」で評価を高めている。日常時も非常時も、いつもの快適な暮らしを続けられるソリューションが散りばめられており、「汎用性」の評価につながっている。
受賞者コメント
自然災害が激甚化する中、住宅は最も身近で有効な防災拠点といえる。一方、太陽光パネルや蓄電池などの設備機器は防災面で有効と認識されているものの、初期費用の負担や建物計画への制約などの懸念も存在している。本商品は、単に性能や設備を搭載するだけでなく、機能特性を活かしたデザインや自然エネルギーの利活用により、日常の快適性と災害時の安心を両立させる付加価値を提案。規格化により再現性を高めつつ、住まい手のベネフィットを具現化し、理解を深めることで「環境価値やレジリエンス性の高い住まい」の普及を目指した。
受賞者プロフィール
ミサワホーム株式会社