応募対象の概要
にぎわいのある空間をコンセプトに、役場庁舎にフィットネスジム、コインランドリー、カフェ、サークル活動等に使用する活動室を併設し、地域コミュニティ拠点として整備。住民に「ワタシノ」居場所と思われるくらい愛着ある施設とし、小清水町の魅力を高め、発信する役割を担う。
フェーズフリーな性質の概要およびアピールポイント
施設の計画段階からフェーズフリーの考えを参考にしており、上記記載の平常時の役割はもとより、一時避難所、災害対策本部など非常時においても役割を果たす施設。日常時から使用している施設が、そのまま災害時にも避難所となり、加えて、洗濯、シャワー、炊き出しの機能も有しており、避難者にとってストレスを軽減することができ、避難生活の負担を軽減できる。
カテゴリ
被害のレベル
プロブレムの種類
活用タイミング
汎用性評価
77 /100点
フィットネスジムやコインランドリー、カフェやオープンスペースなどを併設し、役場の利用機会を増やすことで、日常時の「When」「Why」「Who」で評価を高めている。役場自体が防災拠点、災害対策本部の役割を担うと同時に、災害時には一時避難所となり、洗濯、シャワー、炊き出しができることから、非常時の「When」「Why」「Who」でも非常に高く評価されている。住民は、ふだん利用している施設に安心して避難でき、いち早く最新の情報を得ることができる。
有効性評価
79 /100点
ふだんから住民が利用する便利な施設を役場に併設したことで、「日常時のQOL影響能力」と「機能面デザイン」で高く評価されている。オープンスペースのイスは、デザインを統一しないことで、故障しても同一のものを買い揃えなくてよいため、「非常時のQOL影響能力」で寄与している。
また、シンプルな外観と長居できる落ち着いた空間で、「情緒面デザイン」の評価も高い。
誰にでもアクセスしやすく、ふだんから利用していることから「入手容易」、「場面理解」と「意識向上」で評価されている。
総評
一般的な町役場と比較して、住民にとって利用価値の高いさまざまな施設を併設し、ふだんから活用しながら非常時には避難できる場となる仕組みが「有効性」を高めている。洗濯や炊き出し、運動とリラックスなど、日常時に必要で、非常時にはさらに重要となる施設が庁舎にまとまっていることで、世代を超えた多くの住民が利用する「汎用性」の高い空間となっている。予算の限られた公共施設をフェーズフリーにすることで、地域の活性化とレジリエンス向上につなげるモデルケースとして高く評価できる。
受賞者コメント
役場庁舎と人々が集う機能を集約した防災拠点型複合庁舎。胆振東部地震によるブラックアウトを受け、これまで以上に町民の皆様が安全・安心に暮らせるよう「災害に強いまちづくり」が重要と考え、「フェーズフリー」の概念を取り入れ、日常の生活を豊かにする「ランドリー」「ジム」「カフェ」を役場機能に併設した。災害時は防災拠点となり、日常時使用しているカフェ、コインランドリー、フィットネスジムはそれぞれ炊き出し、洗濯、シャワーの利用及び休憩所として災害時に活用できる。
受賞者プロフィール
北海道小清水町